2021
Highlight

01

バイオマスを活用した
「DURACON® bG-POM」
の生産を開始

ポリプラスチックスでは、2021年7月よりバイオマスを活用した「DURACON® bG-POM」の生産を開始しました。
市場で高まる製品のライフサイクル全体でのCO2排出削減および化石資源の消費削減へのニーズに貢献していきます。

高まるバイオマス由来のプラスチックへの要望に対応

バイオマス由来POMのロゴマーク

近年、カーボンニュートラルの実現に向け、大気中へのCO2排出を削減する取り組みが世界的に加速しています。
その中で、バイオマスを活用した製品へ切り替えていくことに対する社会的関心が非常に高くなっています。バイオマスは、石炭・石油・天然ガスをはじめとする枯渇性資源から製造する化学品に比べ、製品のライフサイクル全体で大気中へのCO2排出量が少なく、かつ非枯渇性資源でもあります。
ポリプラスチックスにおいても、製品のライフサイクル全体でのCO2排出量削減に寄与できるプラスチック素材の提供をお客様から求められるケースが増加しており、そのような要求に対して製品の軽量化・長寿命化を提案することで貢献してきました。さらにこの度、2021年7月より、バイオマスを活用したDURACON® bG-POM(以下「bG-POM」)の生産も開始しました。

CO2排出を低減しながら、従来のPOMと同等の品質を実現

従来のPOM(DURACON® POM)は主に天然ガスから製造されたメタノールを原料としていますが、このbG-POMは、ISCC Plus認証※1に従い、バイオマス原料から製造されるメタノールを活用した製品です。バイオマス原料を使用した場合、メタノール製造までのCO2排出量は天然ガスに比べ低くなるため、bG-POMでは、資源採取からPOM製品化までの製造時CO2排出合計量を、従来のPOMに比べ最大60%削減できます。どちらのメタノールも品質については同じ国際規格に適合しているため、POMの品質も同等です。
さらには、従来の製造に用いていた天然ガスなどの枯渇性資源を、植物など数十年の時間を経れば再生が可能なバイオマス資源に置き換えていくことで、将来にわたり持続可能性のある製品供給へ繋げられるというメリットもあります。

※1 ISCC:International Sustainability & Carbon Certification 国際持続可能性カーボン認証

DURACON® bG-POMの製造過程

ISCC Plus 認証を取得

bG-POM は、マスバランス方式を用いて「ISCC Plus マスバランス認証」を取得しています。(下図参照)
この認証制度は、ISCCに加盟する監査機関により、資源採取から原料供給・製造・出荷に至るまでの工程のトレーサビリティに対する定期的な監査が行われることで、そのサプライチェーン内で一定期間内に使用したバイオマス量に相当するPOMの量を、ISCCが「バイオベースPOM」と認証する仕組みです。
原料そのものからPOMが出荷されるまでのバリューチェーン全体を通してサステナブルであることを意味するもので、バイオマス認証制度の1つとして広く認知されています。

マスバランス方式を用いたISCC Plus 認証

従来の化石資源由来原料とバイオマス由来※2原料を混合して生産を行い、バイオマス由来※2原料の使用量に対して応分の製品を、第三者機関の認証に基づき、持続性のある製品と見なす仕組みです。

※2 ISCC Plus認証バイオマス原料(マスバランス)

サステナブルな社会の実現のために

バイオマスを原料とするbG-POM は、製品化までのCO2排出を大幅に削減するとともに、枯渇の可能性が叫ばれている化石資源の消費の削減にも貢献します。
エンプラNo.1 のソリューションプロバイダーを目指す当社は、カーボンニュートラルやサーキュラーエコノミー実現を視野に入れたプラスチックの開発を重要課題の1 つととらえており、中期経営計画の中にもこの点に関する戦略を盛り込んでいます。豊かな未来社会の実現のため、今後はより高度な課題にも、全社一丸となって取り組んでいきます。